社会学者 C.Wright Mills が Right(正しいこと)を見る

社会学者紹介1

wright mills

C. Wright Mills ライト ミルズ

1916.8.28 – 1962.3.20   アメリカ、テキサス州生まれ

1. Sociological Imagination とは?

2. Wright Mills が見ていた世界

3. 作品紹介

1. Sociological Imagination とは?

社会学とは何を勉強するものですか?と、聞かれて簡単に答えるとしたら経済、組織、人間関係、その他諸々を含む”社会”全体をまさに勉強するものなんですが、

その”社会”をどのように勉強してくかというと、Sociological Imagination を使って勉強しているといっても過言ではありません。

そのくらいこの Wright Mills が提唱した Sociological Imagination (=社会学的想像力)は現代の社会学に影響を及ぼしています。

Wright Mills は 「一人の人間の生活と、一つの社会の歴史とは、両者を共に理解することなしにはそのどちら一つも理解することができない。」とした上で、

この一人の人間の生活と社会の歴史がどのように関係し今の生活に影響しているかを見える、または想像できる力を Sociological Imagination と提唱しました。

つまり、今の人生の状況は自分の過去だけでなく、生まれる前からの歴史の流れも理解して初めてしっかり捉えることができるということです。

現代の日本社会に大きく関わった歴史的な出来事で言えば、

第二次世界大戦で日本が敗戦したことがです。

敗戦後、連合国軍の最高司令官マッカーサーが日本に新しく定めた日本国憲法により私たち日本人ひとり一人の今の生活は大きく変わりました。

この日本国憲法により、

今、自民党が変えようとして議論を呼んでいる憲法9条の戦争放棄や戦力の不保持などが制定され、

天皇主権から国民主権の民主主義に変わり、

小学校6年中学校3年高校3年大学4年で飛び級なしの教育システム

などが導入されました。(もっともっと他にもあるので、また違うときに詳しく書きたい思います。)

今世界が抱えてる問題も、このSociological Imagination を使って原因の根っこを調べてゆけば理解できるものがたくさんあると思います。

Sociological Imagination を図にするとこうなります。

               Macro(大規模)          ⇆     Social Construct(社会構造)                (制度、常識、役割、権力構造、階層化)    (イデオロギー、価値観、姿勢、信念)

                        ↖↘   Micro(過小)          ↗↙

                        (対人関係、コミュニケーション)

人生は社会構造や制度などのマクロなもの、日々の会話などのミクロなもの、考え方や価値観などが混ざり合い影響しているということです。

2. Wright Mills が見ていた世界

Wright Mills は、現代人は自分の抱えた問題が、たとえその問題の根本が社会であったとしても自分を責める傾向があり、その原因を把握するために Sociological Imagination  が必要であると考えました。

簡単な例でいえば ”就職難” です。

就職できないのは個人のスキルや働く意欲などの問題ですが、就職できない人が増えると失業率 (unemployment rate)という社会的な問題、そして景気が悪いなどと個人ではなく経済全体の問題になっていきます。

ひきこもり、鬱病、自殺、離婚なんかも個人の問題から社会問題となる代表的な例です。

少し複雑な日本の例は、”国民の政治に対しての無関心”です。民主主義社会の上で、政治が暮らしの基本、法律や決まりなどを決めているので、

”政治に無関心” = ”生活の取り決めに無関心”

と、なります。

そして、関心のない間に決められてしまった決まりや法律が、生活を圧迫し、個人的なトラブルを起こすようなものだった場合、Wright Mills が言う通り、そのトラブル自体が社会(または政治に対しての無関心)が原因の根本にあったとしても、

気づかず、自分を責めてしまうというものです。

営業マンが契約をとれないのは、その人のスキル的な問題もあるかもしれませんが、単に不景気で誰も買わないという状況もあり得ます。

その状況で、どちらに根本的な原因があるか判断する力が 社会学的想像力 です。

1916年にアメリカのテキサス州に生まれた彼は、アメリカの市民たちは自らを失くし、知らぬ間に資本主義をサポートしているのに気づいていない、そしてそれが一番の社会問題だと言っています。

そして彼が社会学を通しやってきたことは、

“To liberate humans from what they see as physical and conceptual oppression.”

日本語で ”肉体、そして概念的圧迫から彼らを解放する” ということです。

 

3. 作品紹介

Wright Mills が1958年に出した「パワーエリート」という本で彼は、今のアメリカ社会には政府の政策決定に対し独占的な力を持っている権力層(パワーエリート)がいると指摘しています。

パワーエリートがどんな人たちかというと、いわゆる

お偉いさん=政治機関幹部、政治指導者、大企業幹部、軍幹部

のような人々です。

Wright Mills はさらに、このお偉いさん(権力層)は権力構造維持による利益の一致から大衆(マス)を操作していると分析し、疑問を持たぬことがシステム(権力を維持するための)の狙いなので常識に疑問を持て!と、人々に唱えました。そして、「政治への無関心」もまた、マス(大衆)をメディアが操り誘導したものの一つだと言います。

原発もわかりやすい例で、TV曲と協力して”原子力と共に輝く未来”や”クリーンで安全”などあたかも原発が100%安心安全と宣伝したり、

東大の教授を買収して原発擁護を頼み、メルトダウンの危険性などできるだけ表にださないようとしていたことも権力をもつ日本のお偉いさんたちがやってたことですね。

今話題になってるTPPも、権力維持のためにアメリカ(又は、パワーエリート)が今儲かってないのは関税のせいだとし、表向きは「自由貿易」を売り文句にマスメディアで市民の賛同を増やし、明らかに政府に関わる大企業ばかりが儲け商店街のようなローカルな店は経営難になり貧富の差がより広がるような不平等条約なのに、なぜ日本政府が参加するハメになりそうなのかは、このアメリカのパワーエリートたちの権力維持が背景にあると考えたらわかりやすいと思います。

主な作品

出世作 「White Color (ホワイトカラー)」 1951年

アメリカ社会において新中間層が多くなり、その層の彼らは理由よりも合理的に社会を進めてしまう傾向と政治への無関心を指摘した。

新中間層(White Color) = サラリーマンのように事務、サービス、販売関係業務な               どをする賃金労働者

代表作 「Power Elite (パワーエリート)」 1956年

アメリカ社会では政治、経済、軍事の各分野のヒエラルキーのトップたちが集まり、彼らの権力維持のために大衆がコントロールされていると指摘した。

ヒエラルキー = ピラミッド型の段階的組織構造

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